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紺屋の白袴

神前結婚式の解釈に関しては、聊か異議がある。

すなわち、

一、結婚を祖先に報告する慣習は以前からあった。実際、墓参りや、仏前などへの報告は珍しい事ではなかった。

二、先祖は「山向こう」の祖先の村に暮らし、時折異形の客としてやって来ると言う考え方がある。

三、所謂旧村社や屋敷内神社などには、特定の神だけではなく先祖をも祀る事例はすくなくない。

四、皇室は、宮中儀式として婚姻の儀などを執り行う歴史がある。

五、お七夜やお宮参り、七五三など、地域の神社に参拝する事は珍しい事ではない。

大抵の神社は、御祭神として祀られていなくても、お札を扱う。

例えば、伊勢神宮の札や、竃三柱神札がそうだ。

以前、古民家の資料を見たときに、仏間に仏壇と神棚、神棚には神社札と十字架が納められた社があり、困惑した事がある。

この古民家の住人にはキリスト教の神も八百万の神の一柱、だったようだからだ。

つまり、神前結婚式とは、地方出身者などが、先祖への結婚の報告を神社でやることを儀式化したに過ぎまい。

嘗ては本家の当主が携わったものを神職が関わるのは、神社である以上当然だろう。

実際、所謂教会式でも、非信者が圧倒的に多いだろう。

そして、教会式でも新年には初詣には神社へ行く事は珍しくない。

これは、キリスト教の神も、或いは寺に祀る仏も、八百万の神の内数と言う認識があるからだ。

無論、死者の墓を押さえる寺に比べ、神社の信徒の拘束は緩かったから、新参のキリスト教に対する対抗はあっただろう。

だが、新興宗教の新規事業ではない。

素地となる儀礼が起源だ。

日本らしさとはなにか。

つまるところ、異なる思想体系に対する寛容と、TPOに応じた使い分けとに尽きよう。

■日本らしさって何? 道徳教科書で論議 わりと新しかった「神前結婚」 元ネタはグリム童話「あの昔話」

(ウィズニュース - 04月02日 07:01)