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『拳児』の作画ミス

上の画像は、少年サンデーコミックス拳児』の第2巻にあるシーンである。

 体育教師に右手首を掴まれ、拳児が手首を極めて切り返すシーンとなっている。

 当時連載されていた週刊少年サンデーや、のちにまとめられた少年サンデーコミックスを読んで、合気道経験者や少林寺拳法関係者は、「あれ?」と思ったはずである。

 詳細に解説してみよう。左上のコマ、「理屈を言うな!理屈を!!」では、拳児の右手首を、体育教師の右掌が握っており、拳児の右肘に近い方に、体育教師の小指があり、拳児の拳に近い方に、体育教師の人差し指がある。

 ところが、右下のコマ、「いいや!ブタのかっこうでまわるんだ!!」では、拳児の右肘に近い方に、体育教師の人差し指があり、拳児の拳に近い方に、体育教師の小指がある。左上のコマの状態から、右下のコマの状態のなるためには、体育教師は一度拳児の手首から掌を離し、持ち替えて握り直さなければならない。しかし、シチュエーションから考えて、体育教師がせっかく捕まえた拳児の手首を一度離して持ち替えるのは、現実的でない。

 たとえ持ち替えたのだとしても(あるいは、拳児が手ほどきで、一度体育教師の掴みをはずしたのだとしても)、このコマ割りでは、持ち替えが一般読者に伝わるはずがなく、作画者の表現ミスであることに変わりはない。

 合気道少林寺拳法、古流柔術をやっている人には解説するまでもないが、右手首を掴まれた拳児がこの技を極めるためには、

 ?今回下段で掲載されている通り、体育教師の右手の人差し指が拳児の肘に近い方、小指が拳児の拳に近い方に来る状態で握られるか、

 ?体育教師の左手の人差し指が拳児の肘に近い方、小指が拳児の拳に近い方に来る状態で握られるか、

 いずれかのシチュエーションでなくてならない。

 今回の左上のコマのような状況で掴まれた場合、別の技術で手ほどきしたり、極めたりする必要が生じる。